英語翻訳のコツをつかもう!
日 英 翻 訳 セ ミ ナ ー
編著/北辰メディア (C)   

英語に直訳できない日本語

 そのまま英語に直訳してもよさそうに見えても、実は英語の論理には合わないということがあります。たとえば、次の例文で、「輸入港」は、an importing port あるいは a port of importing 〜 と訳してもよさそうに日本人には思われがちですが、さらに一歩踏み込んで考えてみましょう。

■原 文■
 下関は1960年代から1980年代にかけては鮮魚の輸入港だったが、今では逆に輸出の積出港になり、取扱数量は増加している。

【試 訳】
   Although Shimonoseki used to be a major port of importing fresh fish from Korea in the 1960s to 1980s, it has turned a major shipping port and the volume of exports is on the increase.

【修正訳】
   Although Shimonoseki used to be a major port through which South Korean fish imports to Japan passed during the 1960s, 1970s and 1980s, it has become a major shipping port and the volume of exports is on the increase.

■翻訳のポイント■
 水産大国日本の漁獲量は近年激減していますが、その一方で水産物の国内消費量も落ち込んできています。その結果、かつては韓国産水産物の輸入基地だった下関が、今や逆転して輸出基地になっているというニュース記事が上の原文です。
 さて、試訳の問題点は、「〜の輸入港」を a major port of importing 〜 としたことです。論理的に考えてみれば分かることですが、下関から水産物を積出しすることはあっても、水産物を輸入するのは下関ではなく日本です。したがって、「積出港」を a shipping port といいますが、「輸入港(=輸入基地)」を an importing port あるいは、a port of importing 〜 とはいいません。たとえば、「輸入国」を an importing country、「輸出国」を an exporting country というのとは違い、「輸入港」という場合は「港」が輸入するわけではないので、「輸入」と「港」との意味的なつながりを別の表現で英語に移さなければならないことがあきらかです。
 修正訳では、「韓国産鮮魚の一大輸入基地」を a major port through which South Korean fish imports to Japan passed(韓国の対日輸入水産物が通過した主要港)と表現しています。要するに、下関というのは「輸入した港」ではなく「輸入品が通過した港」であるという解釈の上に立った英訳になっています。
 ところで、この部分の英訳についてビジネス英語の専門家にコメントをお願いしたところ、a major port of entry for fresh fish from South Korea ではどうかというご意見をいただきました。これなら「鮮魚」に対応する fresh fish も入り、すっきりした英文に仕上るでしょう。

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